繰り返す呼吸停止…睡眠時無呼吸症候群とは?原因・症状・対策

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夜間の激しいいびきや、日中の耐え難い眠気に悩んでいませんか?
それらの症状は、もしかしたら睡眠中に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」のサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると高血圧や心筋梗塞といった生活習慣病のリスクを高める可能性もある、決して軽視できない病気です。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群の基本的な知識から、その原因、代表的な症状、そして日常生活でできる対策までを分かりやすく解説します。
もし、ご自身や大切な方の睡眠に不安を感じているなら、ぜひこの記事を読み進めてみてください。
きっと、より質の高い睡眠を取り戻すための第一歩となるはずです。

 

睡眠時無呼吸症候群とは?知っておくべき基礎知識

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が一時的に止まったり(無呼吸)、呼吸が浅くなったり(低呼吸)する病気のことです。
これらの状態が繰り返されることで、血液中の酸素濃度が低下し、睡眠の質が著しく低下します。

無呼吸には大きく分けて二つのタイプがあります。
一つは、喉の奥の空気の通り道(気道)が塞がることで起こる「閉塞性無呼吸」。
これは、肥満によって首周りに脂肪がついたり、扁桃腺やアデノイドが肥大したり、舌が喉の奥に落ち込んだりすることで発生します。
もう一つは、脳からの呼吸の指令が一時的に弱まることで起こる「中枢性無呼吸」です。
こちらは、脳や神経系の病気が原因となることがあります。

睡眠時無呼吸症候群は、決して珍しい病気ではありません。
潜在的な患者数は非常に多く、自覚症状がないために気づいていない人も少なくありません。
日中の眠気による労働効率の低下や、交通事故のリスク増加など、社会的な影響も無視できません。

見逃さないで!睡眠時無呼吸症候群の主な症状

睡眠時無呼吸症候群の症状は、夜間と日中で現れ方が異なります。

夜間の主な症状としては、まず大きないびきが挙げられます。
これは、気道が狭くなっているサインです。
また、本人は気づいていないことが多いのですが、睡眠中に呼吸が何度も止まることがあります。
これにより、酸素不足で目が覚めてしまう中途覚醒や、寝苦しさから寝汗をかくこともあります。

日中の主な症状としては、強い眠気が最も代表的です。
朝起きてもすっきりせず、日中も常に眠気を感じるため、集中力が低下し、仕事や家事に支障をきたすことがあります。
その他、倦怠感頭痛イライラなどもよく見られる症状です。

これらの症状は、本人よりも同居している家族やパートナーが気づくことが多いです。
「寝ている時に呼吸が止まっている」「いびきがひどい」といった指摘があった場合は、注意が必要です。

なぜ呼吸が止まる?睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群の原因は多岐にわたりますが、主なものとしては以下の点が挙げられます。

  • 肥満や生活習慣との関連性: 首周りの脂肪が増えることで気道が圧迫されやすくなります。
    また、不規則な生活や運動不足も、睡眠の質の低下や肥満につながり、無呼吸のリスクを高めます。
  • 扁桃腺やアデノイドの肥大: 特に子どもの場合、扁桃腺やアデノイドが大きいと気道を塞ぎやすくなります。
  • 顎の形状や遺伝的な要因: 下顎が小さい、あるいは後退しているといった骨格的な特徴を持つ人は、気道が狭くなりやすい傾向があります。
    また、家族に睡眠時無呼吸症候群の人がいる場合、遺伝的な要因も考えられます。
  • 飲酒や喫煙の影響: アルコールは筋肉を弛緩させる作用があるため、寝る前の飲酒は気道を塞ぎやすくします。
    喫煙は、気道の炎症を引き起こし、無呼吸のリスクを高めます。

放置は危険!睡眠時無呼吸症候群のリスクと対策

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、様々な合併症を引き起こす可能性があります。
代表的なものとしては、高血圧心筋梗塞脳卒中などの心血管疾患のリスクが高まることが挙げられます。
また、糖尿病メタボリックシンドロームとの関連も指摘されています。

日中の強い眠気は、仕事の効率を著しく低下させるだけでなく、交通事故のリスクも増加させます。
集中力や判断力の低下は、重大な事故につながりかねません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群は適切な対策を行うことで改善が見込めます。
日常生活でできることとしては、まず減量が重要です。適正体重を維持することで、気道への圧迫を軽減できます。
また、寝る前の飲酒や喫煙は避けるようにしましょう。
横向きで寝ることも、舌が喉の奥に落ち込むのを防ぐ効果があります。

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専門医による診断と治療法:より良い睡眠のために

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、専門医の診断を受けることが非常に重要です。
診断には、睡眠中の呼吸状態や酸素濃度などを詳しく調べる**睡眠ポリグラフ検査(PSG)**が行われます。

治療法としては、**CPAP(持続陽圧呼吸療法)**が最も一般的です。
これは、寝ている間に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を広げて呼吸をサポートする治療法です。
効果が高く、多くの患者さんの睡眠の質を改善しています。

その他、軽症から中等症の患者さんには、**マウスピース(口腔内装置)**が用いられることもあります。
これは、下顎を前方に移動させることで気道を広げる装置です。

原因によっては、外科的手術が選択肢となる場合もあります。
例えば、扁桃腺やアデノイドが大きい場合は、摘出手術によって無呼吸が改善されることがあります。

睡眠時無呼吸症候群は、早期に診断を受け、適切な治療を開始することが、健康的な生活を送る上で非常に大切です。
もし、気になる症状があれば、ためらわずに専門医に相談しましょう。

 

 

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